「千歳くんはラムネ瓶のなか」第8話感想|悠月が限界を迎えた夜

アニメ・マンガ考察

■ 千歳と智也の恋愛観のズレが突きつけるもの

引用:「千歳くんはラムネ瓶のなか」8話

第8話は、智也の恋愛相談をファミレスで聞く千歳から始まる。
智也は相談というより、お祭りで悠月と浴衣デートできた千歳を羨ましがり、さらに悠月が学校を休んだ理由までロマンチックに解釈しようとします。

それに対して千歳は、「女の子の言動をなんでも大げさで、ロマンチックな物語にするな」と釘を刺す。
これは不良の先輩に絡まれた件を伏せるためでもあるが、同時に、現実を見ずに理想ばかり追いかける智也への苦言でもあると感じました。

千歳のアドバイスは今回も一貫している。
相手を知り、自分を知ってもらい、好きになってもらう努力をしてから気持ちを伝えろ。
至極まっとうな話ですが、なかなか彼には伝わりません。

ただし、智也が放った
「この人以上の相手はいないって思える人に出会ったことがないからだ」
という言葉は、千歳の弱点を的確に突いている。
感情に名前を付けるのは最後でいいと殻に閉じこもり、人を本気で好きになることから距離を取っている千歳。
智也は未熟だが、この一点に関しては、彼のほうが真実に近いようにも感じました。

■ 悠月を追い詰める「偶然という名の悪意」

引用:「千歳くんはラムネ瓶のなか」8話

智也とのやり取りのあと、千歳は体調を崩した悠月に連絡を入れる。
しかし悠月はどこか不安定で、「あれは私じゃないから」と意味深な言葉を残す。

一時的に「かりそめの恋人」に戻る二人ですが、翌日、事態は一気に悪化する。
なずなが悠月の机にぶつかった拍子に、祭りデートの盗撮写真がばらまかれてしまう。
必死に写真を隠す悠月、事情を知らない夕湖、そしてそれに気づいて刺すような言葉を投げるなずな。
休み明けの悠月の精神をえぐるには十分すぎる出来事だった。

さらに追い打ちをかけるように、中学時代の写真が突きつけられる。
そこには、不良の先輩に抱き寄せられる悠月の姿が写っていた。
制汗剤、バッシュ、盗撮写真、中学時代の写真――
偶然とは思えないほど、すべての場面になずなが近くにいたことで、悠月はなずなを犯人だと疑ってしまう。

感情を爆発させ、普段は見せない表情でなずなを責める悠月。
だが、亜十夢の介入によって、なずなが悠月に強い憧れと好意を抱いていたことが明らかになる。
つまり悠月は、無関係な相手をみんなの前で犯人扱いしてしまったんですよね。

■ 壊れてしまった心と、差し出された助け

引用:「千歳くんはラムネ瓶のなか」8話

この出来事で、悠月の心は限界を迎えていたのだろう。
テストにも関わらず屋上に逃げ込み、現実から距離を取ってしまう。

それでもまだ終わらないのが、この回の残酷なところだ。
その日の夜、ヤン高の先輩たちが学校前で待ち伏せする。
もはや完全に警察案件だが、千歳と蔵センが何とか追い払うことに成功する。
正直、蔵センがいなかったらどうなっていたのかと背筋が寒くなる。

すべてが重なった結果、悠月は雨の中で
「何か悪いことしたのかな」
と呟き、泣き崩れる。

そして
「今日だけは一人になれない」
そう言って千歳に助けを求め、家に連れて行ってほしいと懇願する。
限界まで追い詰められた表情は見ていられないほど痛々しく、
第8話は、悠月の心が完全に壊れてしまったことをはっきりと示したまま幕を閉じました。

■ まとめ

第8話は、とにかく悠月にとって過酷すぎる回だった。
悪意と偶然が重なり、誤解が誤解を呼び、心がすり減っていく過程が丁寧に描かれていた分、見ていてかなりしんどい。

悠月が限界を迎えた今、千歳は何を選び、どう向き合うのか。
次回、止まらない雨がどう描かれるのかも含めて、引き続き楽しみにしたいです


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