――似た者同士だからこそ届いた言葉と、その先の不安
今回は『千歳くんはラムネ瓶のなか』アニメ第9話の感想です。
この回は、七瀬悠月のさまざまな表情が描かれただけでなく、千歳と悠月が改めて「似た者同士」なのだと強く伝わってくる回でした。
悠月を追い詰める千歳の荒療治
引用:『千歳くんはラムネ瓶のなか』9話
物語はずぶ濡れになった悠月が千歳の家を訪れる場面から始まります。
空気はかなり危うく、悠月は距離を詰めようとする。一方で、千歳はそれをそのまま受け入れるのではなく、あえて一線を踏み越えるような態度を取ります。
「それが七瀬悠月か?」
「思考停止でいいのか」
そう言葉を投げかけながら悠月を押し倒し、シャツのボタンが外れて下着が見えてしまう状況まで作り出す千歳。
彼の行動は、悠月に「もう一度七瀬悠月に戻れ」「怖気づくな」と奮起させるためのものだったとはいえ、正直ここまでするか?と思ったのも事実です。
仮に千歳が悠月の恋人だったとしても、普通なら躊躇するラインでしょう。
ただ、それでも千歳がこの行動を選んだのは、相手が悠月だったからこそだと感じました。
千歳と悠月は本当によく似ています。
だから千歳は、「自分によく似た悠月なら、これで目を覚ます」と信じて、あの行動に出たのではないでしょうか。
相手が優空や夕湖だったら、きっと同じことはできない。似た者同士だからこそ成立した、不器用な助け方だったと思います。
シリアスから一転、衝撃のカウンター
引用:『千歳くんはラムネ瓶のなか』9話
その結果、悠月は正気を取り戻し、千歳の千歳にダイレクトアタック。
第5話で千歳は
「男は股間に4割程度の力で蹴り上げれば倒れる」
と教えていたはずなのに、悠月は力加減を盛大にミス。千歳は倒れ、男の娘になりかけます。
あの緊迫感はどこへ?という急転直下のギャグ展開ですが、その流れで悠月は中学2年の頃のトラウマを語り始めます。
悠月が抱えてきた仮面とトラウマ
引用:『千歳くんはラムネ瓶のなか』9話
悠月は、賢く立ち回り、愛想よく振る舞い、空気を読んで生きてきた。
人に嫌われないよう、好きにも嫌いにもなられないようにすることが、自分の特技だと思っていた。
しかし、男の人に一度暴力を振るわれた瞬間、すべてが止まってしまった。
泣きじゃくり、何もできなくなった。その経験は悠月にとって相当なトラウマだったのでしょう。
そんな悠月を千歳は抱きしめ、
「諦めないでいてくれてありがとう」
と、七瀬悠月であり続けたことを心から喜び、感謝します。
千歳は悠月と似ているからこそ、彼女の気持ちが自分のことのように分かったのだと思います。
似た者同士が抱きしめ合い、通じ合い、自分たちの力で前を向く。
この回で、二人の距離が一気に縮まったのがとても印象的でした。
日常パートの破壊力と悠月の可愛さ
引用:『千歳くんはラムネ瓶のなか』9話
ここからは一転して日常パート。
すっかり元通りになった悠月は、お風呂に入ってご機嫌です。
しかし、千歳のシャンプーが優空から教えてもらったもの、ドライヤーが夕湖からもらったものだと知ると少し不機嫌に。
嫉妬なのか拗ねているのか、その反応もまた可愛い。
とはいえ、そこで終わらないのが悠月。
彼シャツ姿で登場し、美脚をこれでもかと見せつける「ご褒美タイム」に突入します。
いつもカッコつけている千歳も、さすがにお手上げ。このやり取りは普通に面白かったです。
さらに一緒に寝るイベントまで発生。
いや千歳、これで何もしないのは本当に凄い。
布団の匂いに「落ち着く」と言う悠月、そして好きな人がいるかという話題へ。
悠月は男の人を本気で好きになったことがないと語り、千歳は昔会った白いワンピースの女の子の話をします。
初恋の話というより、二人の恋愛観がよく似ていることが印象に残る会話でした。
それぞれが抱える問題と、残る不安
引用:『千歳くんはラムネ瓶のなか』9話
翌朝、悠月は姿を消し、千歳は優空と登校。
首筋の落書きが発覚し、優空の表情が一気に曇るのも気になる描写です。
一方、悠月はなずなに謝り、千歳と行動を共にするのをやめ、自分の問題に自分で向き合う選択をします。
ストーカー問題は未解決で、本当に大丈夫なのかという不安は残りますが、それでも前に進むと決めたのが七瀬悠月でした。
千歳もまた、智也に「もう恋愛相談には乗れない」と伝えます。
気持ちの変化もありますが、どこかわざと突きつけているようにも見えます。
このまま帰るのかと思ったら、このヤリチンクソ野郎、その後に明日風とも会うんですよね。
悠月の問題が解決していない中で何を話すんだと思いつつも、進学や上京といった年上ならではの悩みを語る明日風。
「1年」という時間の重さがしっかり伝わってくる会話でした。
まとめ
第9話は、ストーカー問題に大きな進展はありません。
しかし、悠月の心が確実に変わった回でした。
悠月が前を向いたなら、解決は近い。
それでも状況自体が変わったわけではないからこそ、次が一番怖い。
そんな余韻を強く残す回だったと思います。
また、千歳が語った初恋の女の子が明日風なのでは?と感じさせる描写もあり、
悠月編の先にある明日風編が、ここから静かに始まっていたようにも感じました。
次回の『千歳くんはラムネ瓶のなか』第10話も楽しみですね!!








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