はじめに
『薫る花は凛と咲く』第9話を視聴しました。
今回のエピソードは、凛太郎の過去と母・杏子の想いに焦点を当てたエピソードで、青春ドラマと親子ドラマが見事に絡み合っていました。凛太郎がなぜ金髪とピアスという見た目を選んだのかの理由や薫子への想いを自覚して揺れる心と、母・杏子との温かな絆が丁寧に描かれ、胸に響くものが多かったです。
金髪とピアスに込められたもの
出典:「薫る花は凛と咲く」9話
凛太郎が金髪とピアスを選んだ理由は、ただの見た目の個性ではなく、幼少期の孤独や挫折、そして小さな希望の象徴です。
小学生の頃、凛太郎は友達もおらず、学校生活は楽しいものではありませんでした。そんな彼を気遣って、親が連れて行ってくれた外国人のケーキ屋での体験。
厨房で楽しそうにケーキを作る人の姿を見た凛太郎は、「自分も笑って過ごせたら」という願いを心に抱きます。このとき憧れたのが、金髪でピアスをしたその店員の姿でした。
その体験は凛太郎にとって、小さな“勇気の芽”となります。
「いつか自分も金髪とピアスをやってみたい」と言ったとき、母が否定せずに笑顔で受け入れてくれたことが、彼の自己肯定感の第一歩になったのです。
この経験があったからこそ、成長した今でも金髪とピアスを続けることで、凛太郎は過去の自分を肯定し、心の支えとしていることが伝わります。
杏子の想い
出典:「薫る花は凛と咲く」9話
母・杏子の行動もまた深い意味を持っています。
凛太郎が諦め癖を持ち、挑戦を避けがちな性格になったのは過去の否定経験の影響でした。杏子は、そんな息子が再び何かに挑戦する気持ちを持ったとき、否定したくなかった。だから、自分が先に金髪とピアスにして、凛太郎が安心して挑戦できる環境を作ったのです。
「優しいあの子のことを誰か見つけてくれないかな」という台詞には、母としての深い願いと、息子を静かに見守る強さが込められています。
凛太郎の成長や、友達との関係が少しずつ形になる様子を見守りながら、母は涙をこらえる、その瞬間に親心の温かさが最大限に描かれています。
さらに、この親子のやり取りは夕焼けや日差しなどの光の描写によってより印象的に映し出されます。小さな希望が光として象徴される演出は、アニメならではの映像表現で、視覚的にも心理的にも凛太郎の心の支えを強調していました。
まとめ
今回のテーマは「肯定」だと感じました。
凛太郎は幼い頃から否定され続けてきて、いつしか諦め癖がついてしまった。でも「金髪とピアスをやってみたい」という小さな願いを、母は笑顔で受け止めてくれた。その経験が彼の支えになっているのが分かりました。
そして今は、翔平たちや薫子が凛太郎の良さを認めてくれている。母の祈りが少しずつ実を結び始めたようで、とても温かい気持ちになりました。
特に、凛太郎から「ありがとう」と言われた後に、杏子が涙をこらえて「もう歳かしら」と呟くシーンは本当に印象的。親として子どもの前では弱さを見せない、その優しさが心に残りました。
次回からは試験、そして夏休み。青春ドラマとしてますます盛り上がりそうで楽しみです。
本作はプライムビデオでも視聴ができるので、ぜひチェックしてみてください!!
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