偏見と向き合うふたりのすれ違い
出典:「薫る花は凛と咲く」2話
放課後、薫子は淡い期待を胸に校門前で凛太郎を待ちます。
けれど再会したふたりの会話はどこかおかしい。
それもそのはず。千鳥と桔梗は犬猿の仲です。凛太郎も一応は庇うものの、せっかく千鳥校門前まで来てくれた薫子を目の前にしても敢えて他人のフリ、桔梗の生徒は生徒でゴミでも見るかのような目でした。
その後薫子は凛太郎の家のケーキ屋で待ってくれており、そこで会話をしますが、
凛太郎は思わず「俺と関わっても和栗さんにいいことがあるとは…」と口にしてしまいます。
それは薫子を遠ざける言葉であると同時に、彼自身を守るための言い訳でもありました。
桔梗と千鳥という“学校の壁”に縛られた凛太郎の心には、「自分が関われば、彼女を傷つけてしまうかもしれない」という、優しさと弱さが同居しているのです。
この場面では、言葉以上に、表情や“沈黙”の重みが印象的でした。
短いやり取りのなかに、ふたりの心の距離がにじみ出ていて、見る者の胸にじんわりと響きます。
薫子の真っ直ぐな想いが、凛太郎の心を解かしていく
出典;「薫る花は凛と咲く」2話
今回のテーマのひとつは、凛太郎が抱えている“自分への不信感”です。どうせ自分なんかが関わってはいけない、という思い込み。
しかし薫子とのやり取り、そして母親の言葉をきっかけに、その思い込みが少しずつほぐれていく過程は、静かで確かな成長として描かれていきます。
反省した凛太郎は、冒頭の薫子と同じように敵対する学校である桔梗の校門前で薫子を待ち、謝罪します。学校ばかり気にしていた事、どうせと諦めてしまう事の反省を込めた凛太郎の気持ちが薫子に伝わったのか、薫子も「千鳥と桔梗なんて関係ない。他でもないあなただから私は知りたいと思ったのですよ」と告白ともとれる凛太郎への純粋な気持ちで応えます。
心のカーテンを、ふたりで開く
出典:「薫る花は凛と咲く」2話
物語の最後で、凛太郎が薫子と“LINEを交換”する描写は、一見ささやかでも非常に象徴的です。
それまで“千鳥と桔梗”という看板の下で語られていた関係が、“紬凛太郎と和栗薫子”という個人のつながりへと変化した瞬間でもあります。
また、1話のラストではカーテンを閉めてしまった凛太郎が、ラストでは薫子と一緒にカーテンを開き、手を振ります。もう薫子の純粋な気持ちが凛太郎の冷めた心を少しずつ温めていく感じがたまりません。
このさりげない動作の対比が、彼の内面の変化を象徴しています。薫子と向き合おうとする覚悟。自分の気持ちをごまかさずに進もうとする意志。そんな変化がしっかりと伝わってきました。
まとめ
凛太郎と薫子の関係はまだ始まったばかり。でも、その一歩がどれほど勇気のいるものだったかを知っているからこそ、胸が温かくなる回だったと思います。
次回以降、ふたりがどんなふうに距離を縮めていくのか、そして周囲との関係がどう動いていくのか、次回第3話「優しい人」でも引き続き注目していきたいです!
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