【FX戦士くるみちゃん 第5話感想】父の涙より、FXの快楽。引退できないくるみと危うい芽吹

アニメ・マンガ考察

芽吹きに揺さぶられるくるみ

くるみのアドバイスを受けて、順調に利益を増やしていく芽吹。短期間で15万円を稼いでも、本人には危ないことをしているという感覚がほとんどなさそうでした。

やす子に「楽勝」と自慢する様子を見ると、これからが心配になります。

一方、くるみからすれば、自分の助言で芽吹だけが稼いでいく状況です。

自分の予想は当たっている。でも、取引していない自分のお金は増えない。

実際に損をしているわけではないのに、参加していないことで利益を逃している気分になる。この焦りがくるみの我慢を少しずつ削っていました。

芽吹に悪気はないのでしょうが、FXをやめたいくるみにとっては、離れにくい環境ですよね。

その後相場から離れようと、新しい趣味を探し始めるくるみ。本屋に行ったところでは別の楽しみが見つかればいいなと応援したくなりました。

ところが、結局向かった先はパチンコ。

いや、別のギャンブルに行ってどうするんだよと思わずツッコミたくなります。

さらに、負けたお金を少しFXで取り返そうと考えてしまう。FXをやめるために始めたはずなのに、いつの間にか復帰する理由を作っているんですよね。

ここを見ると、くるみが求めているのは単にお金が動く刺激だけではなさそうです。

自分で相場を読んで、取引して、利益を出す。その成功体験が強く残っているから、別の遊びをしてもFXと比べてしまうのかもしれません。

新しい楽しみを探しているはずなのに、何をしてもFXに考えが戻ってしまう。その状態が怖かったです。

やめたはずなのに。

今回、特にぞっとしたのが、すでにFX口座にお金が入っていることでした。

本人は再開するかどうかで葛藤しているのに、取引できる準備は進んでいる。やめるという決意と実際の行動がかみ合っていません。

「入金しただけ」「少しなら大丈夫」と考えているうちに、元の場所へ戻ってしまいそうな危うさがあります。

そして、もう一人の自分とのやり取り。ここまで来ると、冷静に取引の是非を考えるというより、やりたい気持ちを正当化する理由を探しているように見えました。

勝った楽しさや、利益が出たときの気持ちよさは思い出せる。その一方で、やめようと決意したときの気持ちは薄れていく。

見ている側は「あんなに怖い目に遭ったのに」と思いますが、くるみにとって厄介なのは、最終的には勝っていることなんですよね。

お父さんのお金に手を出し、心配をかけたことは反省しなければならない。それでも、取引の結果だけを見れば、大きな利益を出して終わっている。

「結局勝てたのに、どうしてやめる必要があるの?」

そんな本音が残っているのではないかと感じました。危ない取引でも助かった経験が次の危ない取引を後押ししてしまう。成功した記憶がむしろ足かせになっているようでした。

幼い自分を振り切ったあとの笑顔

復帰までの演出で最もつらかったのは幼い自分が引き止める場面です。

幼稚園の先生になりたいという夢があって、お母さんとの思い出もある。くるみの人生には、FX以外にも大切なものがあったはずです。

その姿を振り切って、再び取引に戻っていく。

だからこそ、復帰した瞬間の笑顔が怖く感じました。

本人はやっと我慢しなくてよくなったようにうれしそうなんですよね。けれど、ここまでの葛藤を見たあとでは素直に喜べません。

前回のお父さんの涙を思い出して踏みとどまるよりも、もう一度FXをやりたい気持ちが勝ってしまった。

本人にとっては解放された瞬間でも、見ている側には大切な一線を越えたように映る。

この気持ちのずれが、今回の復帰シーンを忘れがたいものにしていました。

4人集合! でも安心できる仲間ではない

後半ではくるみ、萌智子、芽吹、やす子の4人が集合しました。

普通ならここから仲間同士で支え合う展開を期待したくなります。しかし、このメンバーは安心して背中を預けられる感じがしません。

特にくるみと萌智子のやり取り。相手の予想を逆に利用するような話になると、友達同士の相談として聞いていていいのか分からなくなります。

くるみも復帰した途端、しっかりその応酬に参加している。相場に戻ってからのなじみ方が早すぎるんですよね。

その中でやす子の反応に安心しました。FXの怖さを理解しているからこそ、芽吹の楽観的な言葉にも疑問を持てる。この場に危なさを指摘してくれる人がいるだけで少し救われます。

ただ、面倒見がいいからこそ、周りに巻き込まれてしまいそうな心配もありましたね

FX勝負の開幕

最後に始まるのが誰が一番お金を増やせるかという勝負。

演出は完全にバトルアニメの開幕でしたね。勢いには笑ってしまいましたが、そこで競うのは自分たちのお金です。

経験にも資金にも差があるのに、自分から勝負を仕掛ける芽吹は無鉄砲すぎる。そして、芽吹を心配しながら参加するやす子もお人好しだと感じました。

やす子としては、芽吹がもっと危険な取引に踏み込む前に、怖さを分かってほしいのでしょう。その気持ちは理解できます。

ただ、競争になったことで、逆に芽吹が熱くなる可能性もありますよね。

お金を増やしたい気持ちに加えて、ほかの3人に負けたくないという気持ちまで生まれる。誰かが大きく稼げば、自分も追いつこうとしてしまうかもしれません。

くるみ一人でもあれだけ危なかったのに、4人が集まったことで、さらに引き際が難しくなりそうです。

ここまで芽吹の楽観的な姿が描かれると、この先、一度痛い目を見るのではないかと身構えてしまいます。そのとき、芽吹はどう受け止めるのか。そして、やす子は止められるのか。

今後はこの2人の関係にも注目したいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました