父親の300万円で、さらに引けなくなる
まずはお父さんのタンス預金300万円に手を付けるところから。
お母さんの一件があったお父さんからすれば、娘まで家のお金をFXにつぎ込んでいるなんてきつすぎますよね。
くるみはお母さんが失ったお金を取り戻したい。そのために勉強してきたはずなのに、今は自分まで家族のお金を危険にさらしている。この状況が何ともやるせないです。
しかも、お父さんのお金を使ったことで、ますます負けを認められなくなっているように見えました。
損を確定すれば、お金を減らした事実が残る。どう説明するのか、どう返すのかも考えなければいけない。
だからこそ、相場が戻れば、何もなかったことにできると期待したくなるのでしょう。ただ、その気持ちが撤退を難しくしているんですよね。
「94円を割ったら損切り」
くるみは94円を割ったら損切りすると決めます。
一見すると、ちゃんと限度を設けているようには見えます。でも、いざそのラインが近づくと、一時的な下落だと思いたくなる。
さらに、途中で100枚の追加ロング。
最初に買ったのが50枚ですから、その倍を一気に追加して合計150枚です。平均買値を下げたい気持ちは分かりますが、金額を考えると正気なのかと言いたくなります。
まずはお父さんのお金を返すことを考えてほしいところですが、本人は勝って返すつもりなのでしょうね。
そして、さらに150枚を追加し、合計300枚に。
下がったら撤退するはずが、下がるほど買い増してしまう。見ている側には危険が増しているようにしか見えないのに、くるみは助かるための行動として選んでいる。その食い違いが怖かったです。
ついに94円を割っても、損切りはできませんでした。
損切りの大切さを知っていることと、実際に損を受け入れられることは違う。
今回は、その差を容赦なく見せられた気がします。
画面を消しても相場は止まらない
追い詰められたくるみが、最後に頼るのは神様でした。
ここまで勉強してきて、最後はお祈りなのかとツッコミたくなります。ただ、もう自分では判断できなくなっているのだと思うと、笑ってばかりもいられません。
そして、ついには画面からも逃げてしまう。
見なければ、少しは気持ちが楽になるかもしれない。でも、その間も相場は動いている。目をそらしても状況は変わらないのがきついところです。
これ、もう新手のホラー作品ですよね。
部屋でモニターを見ている場面が中心なのに、ここまで緊張感を出せるのはすごい。くるみの表情や叫び声から冷静さが失われていく様子が伝わってきました。
損切りしたやす子
一方で、やす子は損切りするんですよね。
くるみを見た後だと、損を受け入れて決済できただけで「ちゃんと判断できた」と思ってしまいます。
ただ、そこから売りに回ったところで相場が反転。また苦しくなってしまうのがえげつない。
せっかく一度取引を終わらせたのだから、もう少し慎重に入ってほしいとは思います。でも、それが簡単にできたら苦労しないのでしょうね。
損切りができても、次の判断までうまくいくとは限らない。その厳しさをすぐに突き付けてくる展開でした。
萌智子とくるみ
今回も萌智子はいい性格をしていましたね。
くるみを心配しているというより、追い詰められていく様子を楽しんでいるように見える。電話をかけてくるタイミングも含めて、友達としてはかなり怖い存在です。
ただ、その萌智子に促されて相場を確認すると、くるみは助かっていたわけです。
そして、最後は130万円の利益を確定。
あの絶望的な状況から、よくそこまで利益が出ましたよね。まずは安心しましたし、お父さんのお金を早く戻してほしいと思いました。
萌智子が面白くなさそうにしていたのも印象的です。くるみとの温度差を見ると、この二人の関係も今後どうなっていくのか気になります。
「最悪の成功体験」
今回いちばん怖いのはくるみの中に何が残るのかということです。
あれだけ追い詰められたところから助かり、しかもお金まで増えた。本人にとっては、ものすごくうれしい結果でしょう。
ただ、今回の取引では問題がいくつもありました。
決めたラインで損切りできなかったこと、父親のお金に手を付けたこと、追加の買いで危険を大きくしたこと、怖くなって取引から目をそらしたこと。
それらが全部「耐えていたら勝てた」という成功体験に上書きされてしまいそうなんですよね。
知識を活かし、ルールを守った結果として勝ったなら、次につながる経験になると思います。でも今回は撤退できないまま相場の反転に救われたように見えます。
次に同じ状況になったときも、「前は戻ったから、今回も待てば助かる」と考えてしまうかもしれない。
今回の勝ちが次に損切りできなくなる理由になってしまう。その可能性が何より不安ですし、怖い終わり方でしたね

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