魔石病から始まった悲劇
悲劇の始まりはロキシーが魔石病にかかったことでした。
現在のルーデウスは地下室に現れたネズミを処理したため、この未来を回避しています。
しかし日記の未来ではネズミが触れた食料を口にしたロキシーが魔石病に感染してしまいました。
治療に必要なのは神級解毒魔術。
クリフやザノバも危険を覚悟で協力してくれますが、治療法を求めて行動した結果、クリフまで失うことになります。
しかも、ルーデウスが戻ったときにはロキシーの治療にも間に合いませんでした。
一気に大切な人を二人も失うなんて、あまりにもキツすぎます。
特にロキシーはルーデウスにとって妻であり、師匠であり、神とまで呼ぶ存在です。
前世の記憶から外へ出ることを恐れていたルーデウスに世界の広さを教えてくれた恩人でもあります。
そんなロキシーを失ったことで、ルーデウスは大きく変わってしまいました。
再会したエリス
そんな状況で長い修行を終えたエリスが現れます。
ようやくルーデウスと再会できたエリスですが、タイミングがあまりにも悪すぎました。
ロキシーのことで精神的に追い詰められていたルーデウスにはエリスの本当の気持ちを考える余裕がありません。
過去に何も告げず自分の前から去ったエリスへの複雑な感情もあり、彼女を冷たく突き放してしまいました。
一方のエリスも、自分の思いを言葉にするのが得意な人物ではありません。
互いに相手を思っているのに言葉が足りない。
ようやく実現した再会にもかかわらず、二人は再びすれ違ってしまいました。
拒絶したルーデウス
ロキシーを失ったルーデウスを支えようとしたのがシルフィでした。
しかしルーデウスはその優しさを受け入れることができません。
悲しみや怒りをシルフィにぶつけ、さらに家族から逃げるような行動を取ってしまいます。
どれほど追い詰められていたとしても、シルフィを傷つけていい理由にはなりません。
それでも、ここまでならまだ関係を修復できた可能性はあったと思います。
シルフィはルーデウスがロキシーを妻として迎えることまで認めた人物です。
しかしその後、ルーデウスの裏切りを知ったシルフィはイヤリングを置いて家を出てしまいました。
言葉をうまく発することのできないゼニスが、ルーデウスの頬をたたいた場面も印象的でしたね。
あの一発には、息子への怒りと失望が込められていたのだと思います。
しかも、シルフィはアリエルとともにアスラ王国へ向かってしまうんですよね
ルーデウスも彼女を連れ戻そうとしますが、またしても間に合いませんでした。
ロキシーの次はシルフィ、あまりにも救いがありません。
最後までルーデウスを思い続けたエリス
今回、最も印象に残ったのはエリスでした。
最初の再会で拒絶されても、ルーデウスが変わり果てても、エリスは彼を追い続けました。
エリスの行動に複雑な理由はありません。
ただ、ずっとルーデウスのことを思っていた。
ただそれだけだったんですよね。
そしてエリスが最後までルーデウスを守ろうとしたことで、ルーデウスはようやく彼女の本当の気持ちに気づきます。
しかし、気づくには遅すぎました。
もし再会したとき、二人が落ち着いて話し合えていたら、エリスが自分の気持ちを言葉にできていたら、ルーデウスが彼女の話を聞く余裕を持てていたら。
この未来は少し違っていたのかもしれません。
だから老デウスは現在のルーデウスに「エリスへ手紙を送れ」と伝えたのでしょうね
ヒトガミの本当の恐ろしさ
今回、ヒトガミの狙いも明らかになりました。
ヒトガミが排除しようとしたのはロキシー本人というより、その先に誕生するはずだった存在です。
将来、ロキシーの子どもがオルステッド側につき、ヒトガミを追い詰める可能性があった。
その未来を消すため、ヒトガミはルーデウスを信用させ、地下室へ向かうよう誘導したのでしょう。
ヒトガミは相手を無理やり動かすのではありません。
助言を与えながら信用させ、本人が自分で選択したと思い込ませる。
これこそがヒトガミの本当の恐ろしさだと思います。
ただし、最初の原因を作ったのがヒトガミでも、その後のすべてをヒトガミのせいにはできません。
家族を傷つけたこと、仲間の言葉を聞かなかったこと、復讐に執着し、間違った選択を重ねたこと。
それらは老デウス自身が選んだ結果でもあります。
日記はヒトガミによって壊された人生の記録であると同時に、ルーデウスが自分の失敗と向き合い続けた記録でもあったのでしょうね
過去の自分に未来を託した老デウス
長い年月をかけて魔術を研究した老デウスはヒトガミが無の世界にいることまで突き止めました。
しかし、どれだけ強くなっても、失った人たちは戻ってきません。
そこで老デウスが最後に選んだのが、過去へ戻ることでした。
自分の人生をやり直すことはできない。
それでも過去の自分へ日記を渡せば、同じ悲劇を回避できるかもしれない。
そうして老デウスは自分が経験した後悔と知識のすべてを、現在のルーデウスへ託しました。
第13話「日記」は、最悪の未来を描いた救いのない鬱回でした。
しかし同時に、老デウスの失敗を知ることでこれからの未来は変えられるという希望も残されています。
未来を知ったルーデウスは、日記とは違う道を選べるのか。
そしてエリスへ、どのような手紙を送るのでしょうか。
ここからの展開が非常に楽しみです


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