東京デート
服を買って、大学を見に行って、カレーを食べる。
二人のお出かけとしては楽しめる内容でした。普段とは違う場所で、好きな相手と過ごす。それだけでも特別な一日ですからね。
ただ、明日風はお父さんに進路を反対されている状況です。そのため大学見学では、彼女が何に興味を持ったのか、そこで何を学びたいと思ったのかを、もう少し見たかったです。
「ここに通えたら楽しそう」と「だからこの大学に行きたい」の間にはもう一段具体的な理由が欲しい。
実際に訪れたことで、憧れが強くなるのは分かります。でも、その気持ちを帰ってからお父さんにどう説明するのでしょうか。
東京に来たからこそ得られた発見が見えると大学見学にも、もっと重みが出たと思います。
一学年の差が生む寂しさ
大学生になった二人を想像する場面は恋愛の描写として甘酸っぱかったですね。
普段は一つしか違わない先輩と後輩でも、卒業や進学が近づくと、その一年が急に大きくなる。明日風が大学生になっても、千歳はまだ高校生です。
今は隣にいても、この先も同じように過ごせるとは限らない。その寂しさは理解できます。
ただ、二人が別れを強く意識しているように見える一方で、「まだ関係を続ける方法はあるのでは?」とも感じました。
離れることへの不安に加えて、これからどういう関係でいたいのか。二人の具体的な本音も聞いてみたくなりますね。
編集者への憧れ
大学見学よりも明日風の夢を理解しやすかったのがカレー店で作家と編集者のやりとりを見かける場面でした。
自分の作品に自信が持てない作家に対して、編集者が本人では気づいていない良さを見つけて伝える。
ただ「面白い」と褒めるだけではなく、どこに魅力があるのか、どうすれば読者に届くのかを一緒に考える。その姿に心を動かされる気持ちは分かります。
明日風は本を読むだけでなく、誰かが書いた作品を世に届けるところまで関わりたいのでしょう。この場面からは、彼女が編集者を目指す理由が伝わってきました。
一方で、憧れが強くなることと、その仕事に就くための準備ができることは別です。
何を学び、どう仕事につなげていくのか。希望どおりに進まなかった場合はどうするのか。今回ですべてに答える必要はありませんが、今後はそうした現実的な問題にも向き合ってほしいですね。
チンピラから逃げてホテルへ
気になったのが、歌舞伎町でチンピラに絡まれる展開です。
大学見学から急に別のイベントが始まったような感覚がありました。二人きりの東京旅行で、わざわざ危なそうな方向へ行くのかとは思いましたね。
しかも、そこから逃げてホテルへ向かうという流れ。
正直、二人をホテルに向かわせるためにトラブルが用意されたようにも感じました。悠月編でも不良に絡まれる展開があったので、似た形で物語が動くことも少し気になります。
千歳が助けに入るのは頼もしいですが、もう少し自然に二人が今夜どうするかを相談する流れでも良かったのではないでしょうか。
まとめ
今回も二人の詩的な言葉のやりとりは健在でした。
この雰囲気が好きな人には、楽しめる回だったと思います。個人的には少し照れくさくなって、「よくその言葉が、その場で出てくるな!」と思ってしまうところもありますが。
だからこそ、格好つけた言葉の間から普通の高校生らしい不安や本音が見えるとより惹かれます。
明日風も千歳もずっと余裕があるわけではないはずです。夢を追う怖さや相手と離れたくない気持ちを飾らない言葉でも聞いてみたいですね。


コメント