『千歳くんはラムネ瓶のなか』第15話感想|東京編ラスト、明日風との夜に見えた千歳の本音

アニメ・マンガ考察

東京編ラスト

今回は初っ端から千歳と明日風がラブホにいるという、なかなか攻めた始まりでした。

これはさすがにお互い意識するでしょう。特に明日風は千歳に自分を意識させるような話し方をするので、見ているこちらまで落ち着かなくなります。

ただ、千歳はあの悠月と二人きりになっても何もしなかった男。今回も何も起きないだろうという妙な安心感はあるんですよね。

普段は余裕たっぷりに振る舞うのに、こういう場面では踏み込めない。そのギャップも、千歳らしいところだと思います。

千歳の過去

今回の本題になったのは千歳の過去でした。

ラブホテルに来て語るのが昔の話というのも不思議な流れですが、明日風に自分のことを話すことで、これまで見えていなかった内面が少しずつ分かってきます。

ただここは受け取り方が分かれそうです。

過去を聞いて千歳への理解が深まる人もいれば、「結局、昔から優秀だったという話では?」と感じる人もいるでしょう。実際、自慢話っぽく聞こえるところは結構ありました。

普段から何でもできる人物として描かれているので、過去の話ではむしろ格好悪い部分を見たくなるんですよね。

努力してきたことは分かっても、それを語る姿まできれいにまとまっている。そこが少し距離を感じる理由なのかもしれません。

余裕に見える千歳にも苦悩はある

それでも今回の話で千歳への印象が少し変わったのは確かです。

何でもそつなくこなしているように見えますが、千歳なりに努力もしているし、嫌がらせを受けることもある。周りからどう見られるかに悩むことだってあるんですよね。

みんなの前ではいつも余裕があって、人間関係もうまくいっているように見える。しかし、実際には困った経験があり、それをどうにかしようとしてきた。その積み重ねで今の彼があることは伝わってきました。

もちろん、過去を知ったからといって、すぐに好感が持てるとは限りません。やっぱり鼻につくと感じる人もいると思います。

それでも、最初から完成された人間として見るのと、彼なりに悩みながら今の振る舞いを身につけたと考えるのとでは見え方が変わってきます。

格好つける千歳の不器用さ

原作を先まで読んでいる方なら分かると思いますが、千歳は結構不器用な人です。

人のために動くことはできても、自分の気持ちまで素直に伝えられるわけではありません。こうして自分のことを語る機会がないと、周りからは誤解されやすいタイプだと思います。

特に、背伸びして大人のように振る舞おうとするところがありますよね。

その姿が格好よく見えることもあれば、気取って見えることもある。今回の過去話にも、そんな彼の性格が表れていた気がします。

ただ、せっかく内面に踏み込むなら、話す本人もちょっと格好悪く感じるような部分まで見たかったですね。何に迷い、どこでうまくいかなかったのかがもう少し伝わってくると、さらに感情移入できたかもしれません。

また明日風との距離感にも千歳の不器用さが表れていました。

二人きりでホテルにいるのに関係を進めるどころか、むしろ一歩引いている。普段あれだけ気の利いたことを言えるのに、こういうところでは踏み込めないんですよね。

今回は明日風との東京編の締めくくりでしたが、彼女のこと以上に千歳という人物がよく分かる回だった気がします。

東京での経験を明日風はどう生かすのか

一方で、明日風の進路についてはまだ気になるところが残っています。

正直、このまま福井に帰っても、ただ東京旅行をしてきただけにならないかとは思いました。東京に来たからといって、進路の問題がそれだけで解決するわけではありません。

ただ、最後の自信に満ちた様子からは彼女の中で何かが変わったことも感じられました。

今回の旅で得たものを、福井に帰ってからどう行動に移すのか。そこまで見て、この東京での時間の意味が分かるのだと思います。

次回は二度目の三者面談、明日風が自分の進路への思いをどんな言葉で伝えるのかに注目です。

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